7/13

 俺は「モテたい」というとき、何を言おうとしているのだろう。まず第一に「病院さんにモテたい」ってのがあるのは明らかなのだけども、この実現は望めない。
 じゃあ、不特定多数にモテたいのか。そういう気もする。やっぱり誰かに好かれるというのは気分がいいものだし、自分のことを好いてくれる人には自分も好意を向けたくなるものだ。モテれば俺は幸せになれる、かもしれない。その可能性は低くないだろう。
 でも、どちらかというと、「不特定多数にモテたい」という欲望(これは恐らくまるっきりの虚構ではない)を発露させることで、「病院さんでなくてもよかったのだ、誰でもいいのだ」と自分に言い聞かせて、どうにか諦めをつけたがっているのでないか、と思う。俺じゃなくても、「誰でもいいから彼氏/彼女がほしい」みたいな発言は、概ねそういう動機で発せられるのでないだろうか。

 1限は忘れ物をしたので休む。そろそろヤバい気がする。
 2限の教室に行く。目の前にはPC。授業がはじまるまでTwitterをしようと思い、firefoxを立ち上げようとしたら、なぜかウインドウが閉まる。リトライすると、また閉まる。先生がこっちを睨んでいる。授業前なんだから遊んでたっていいじゃないかよ。

 昼休み。ありきぃさんと会う約束をしたので(待ち合わせ場所であろう)部室に行く。某彼氏とシモティとヤマジュンさんそろい踏みしている。帰りたい。
 3限がはじまると、みんな帰ってしまう。√2さんから片想いの対象を聞き出そうとするも、黙秘権を行使される。「弁論部の人ですか?」と聞かれて、ちょっと動揺してるように見えたのは、気のせいだろう。
 sukoyakaにメシに誘われる。後輩からの申し出は断りたくない。承諾するも、なんか同時に病院さんが携帯を探しにいってしまったので、なんとなく待つ流れに。そしたらヤマジュンさんが帰ってきて、sukoyakaをメシに誘う。必然的に俺も行く流れに。
 伴茶夢。気の迷いで焼きサンドセットなどを頼んでしまう。うまいけどさぁ。なんかヤマジュンさんと同席するために金を使ってしまったのがやだ。ただでさえ常時金欠なのに。
 ヤマジュンさんがモロをやたら庇いたがるのは、モロのいしはた撲殺計画がヤマジュンさんにとって都合がいいからなんじゃないかね。

 入部したてのころ、何人かに「ヤマジュンさんに似てる」って言われたことがあった。その時言われたのは顔とか喋り方のことだったから、きっとただのお世辞だろう。そういう「ヤマジュンさんのいいところ」はまったく似ていないと思うのだけど、「ヤマジュンさんの悪いところ」はわりと俺にも共通しているのでないだろうか。利己的なところとか、上っ面の会話を好むところとか、自虐を好むわりにナルシスティックなところか、そういうの。
 しかし、それで「同族嫌悪」をするにはヤマジュンさんはあまりにハイスペックすぎた。同じように利己的で浅薄でナルシスティックであっても、イケメンで話もうまくて人当たりがよくて立ち回りもうまいヤマジュンさんは、俺の100倍くらい上手に世の中を渡っていく。
 去年までの弁論部で俺と一番仲がよかったのはありきぃさんとずきんちゃんだろうけど、二人ともヤマジュンさんに夢中だったしね。俺はせいぜいがヤマジュンさんの劣化版代替物としてしか需要されえなかった。そのくせあの人は「マーティは恋愛経験があって羨ましい」みたいなことを言ってくるのだ。ああ、殺したい。
 こうやって書きなおしてみると、俺のしていることはただの嫉妬なんだということがよくわかるね。闘争は名誉を動機として開始されるのだった。

 部室に帰って来てから、本棚の本を整理しようと試みて、途中で飽きてやめる。ありきぃさんから今日は来れないとメールがくる。帰路へ。
 なんだかぼーっとした陰鬱を抱えたまま、一日を過ごしてしまった。あ、病院さんに「ブログの反応ほしいんですか?」とか言われたけど、PCに向かっているとちょいちょい「コメントきてないかなー」とかチェックしているくらいには自意識系男子だよ。醜いね。
 そういうのをなくすってのがこのブログの目標だったんだけどなぁ。